【ゲストによる卓話】特定非営利活動法人ディオッサスポーツクラブ 監督 増嶋 真也 様

特定非営利活動法人ディオッサスポーツクラブ 監督 増嶋 真也 様

 本日は、組織を作る上で大切なマインドセットについてお話しさせていただきます。私は36 歳、千葉県出身です。増嶋家は3人兄弟全員がサッカー一筋で、長男はドイツでサッカー会社を経営し、次男はJ1のチームでプロ選手として活躍しています。私自身は高校でインターハイ全国優勝、コーチとして全国優勝2回、J3 優勝、天皇杯ベスト4という実績を持っています。島根に来てまだ2ヶ月ほどですが、多くの方に応援・サポートいただいており、大変ありがたく思っております。
 私が指導者を始めるにあたって現役時代を振り返った時、残ったものは礼儀・挨拶、怪我を通じて学んだサッカーへの感謝、そして仲間の大切さでした。だからこそ、私の指導者としてのモットーは「サッカーを通じて人として成長するサポートをすること」です。戦術を教えることよりも、礼儀・掃除・挫折・仲間の大切さを伝えることを最も大事にしています。サッカーがなければ礼儀も協調性も身についていなかったかもしれない。大好きなものが一つあることの大切さを体感してきたからこそ、そこを伝え続けたいと思っています。
 チームとして大切にしている要素は3 つあります。一つ目は「元気と勇気を与えること」です。試合を見てくださった方が「楽しかった、また明日も頑張れる」と思ってもらえるサッカーをすることを大切にしています。勝つだけでなく、エンターテイナーとして観客が喜んでくれるプレーを目指しています。二つ目は「対等な関係」です。監督もコーチも選手もトレーナーも、上下関係なく一つの組織として対等な立場で意見を言い合えるチームを作ることを目指しています。三つ目は「縁を大切にすること」です。生まれも育ちも年齢も異なる者同士が巡り合ったこの縁を大事にて、一年間やり遂げることを大切にしています。
 スタッフへのマインドセットとして「平等と公平」の違いを伝えています。平等とは全員に同じ量を渡すこと、公平とはその人の状況に合わせて対応を変えることです。全員がサッカーに前向きになれる環境を整えるために、スタッフは常に公平な対応と、選手の感情に寄り添う姿勢を大切にしてほしいと伝えています。また「視座」という考え方も共有しています。個人としてではなく、チームとして、出雲の代表として、どの立ち位置から物事を考えるかを意識することが、伝え方の質を高め、チームの価値を上げることにつながります。
 選手へのマインドセットとして、成長について大切なことを伝えています。スタッフが選手を成長させるのではなく、成長するのは選手自身。スタッフが用意するのは環境だけであり、そこから一歩踏み出すのは自分の勇気と意志です。また一年間の成長は決して右肩上がりではなく、必ず苦しい時期があります。その苦しさを乗り越えられるかどうかは、最高の景色を常にイメージできているかどうかにかかっています。優勝した瞬間を想像しながら、日々のトレーニングに向き合ってほしいと伝えています。さらに「本物を目指すこと」も選手に伝えています。どれだけよい戦術があろうと、根っこの部分で本物を目指さなければお客様には喜んでもらえません。一流の選手・チームがどのような行動をするかを常に想像し、自分たちの行動や言動がチームにどう影響するかを考えてほしいと話しています。
 最後に、選手たちには、一年間で3 つの幸せをつかんでほしいと話しています。サッカーが楽しいと感じる幸せ、サッカーを通して成長する幸せ、そしてサッカー選手でいられる幸せです。仲間と肩を組んで本気で頑張れる時間は長くありません。支えてくださる家族やサポーター・スポンサーの皆さんへ最高の笑顔を届けられるよう、一年間全力でやり遂げてまいります。