会長挨拶【会長 田中 充】

皆さま、こんにちは。3月に入りましたが、まだ肌寒い日が続いています。今年は暖冬と言われていましたが、本格的な春の訪れはもう少しかかりそうです。また、この時期は花粉症で悩まれる方も多く、最近では「無花粉スギ」の植林も進められているそうです。時間はかかりますが、将来的に期待される取り組みです。そして、3月はロータリーの「水と衛生月間」です。世界では安全な水が得られず、毎日約1,400人、年間で51万人の子どもたちが命を落としています。私たちも身近なことから何ができるか考えたいものです。本日の卓話では、尾身茂氏による2023年ロータリー研究会での講演DVDを上映します。ぜひ、今後の活動のヒントとしてご覧いただければと思います。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
第52回ロータリー研究会 尾身茂 氏
講演(映像):感染症との闘い~ポリオからコロナ~

・ポリオ根絶の意義と個人的な思い
ポリオ根絶活動は、自身の「第2の青春」とも言える重要な経験。30~40代の働き盛りの時期に関わった大きな国際的事業
・ポリオ根絶のための3つの戦略
定期予防接種:1歳未満の子どもに行う通常のワクチン接種。
特別予防接種週間:年に一度、5歳以下すべての子どもにワクチン接種を行う。
急性弛緩性麻痺(AFP)サーベイランス:全ての急性弛緩性麻痺の症例を報告し、見逃しを防ぐ。
・AFPサーベイランスの重要性
ポリオ以外にも急性麻痺を起こす疾患があるため、麻痺症例全てを報告対象とする。
報告がない地域はサーベイランスが機能していないと評価される。
・ロータリーの資金支援の意義
ワクチン購入費用が足りなかった中、国際ロータリーが2億円を超える資金支援を決断。
この支援が各国政府(日本政府含む)の追加支援を引き出す「呼び水」となった。
・中国での一人っ子政策とポリオ対策の関係
一人っ子政策により第2子、第3子が公式記録に載らず予防接種が行われない課題。
WHOとして中国の政策に直接言及できず、データをもとに「全ての子供への接種」を中国政府と交渉。
結果、中国政府が「全ての子どもにワクチン接種」を指示し、大きな前進。
・困難な地域へのアプローチ
カンボジア、ベトナムのメコンデルタ地域や紛争地域など、最後まで残る課題地域での活動。
ワクチン接種を徹底するための工夫と努力(川沿いの検問所設置など)。
・ビル・ゲイツ財団などとの連携
ポリオ根絶の「最後の難関」に挑むためには、ビル・ゲイツ財団、国連、G7、各国政府との連携が必要不可欠。
民間(ロータリー)と政府の協力が世界的なモデルとなり得る。
・感染症対策の普遍的な重要性
感染症は必ずまた起こる(コロナもその例)。
「いつ起きるか」の問題であり、常に備えが必要。
・ロータリーへの感謝と継続支援の呼びかけ
これまでのロータリーの支援に対して深い感謝。
